短歌とライブ 1     長谷川知哲

ピアニストと打楽器奏者との出会いがあり、短歌ライブのグループを結成して、
都合10回ほどのライブコンサートを3人で行った。

初回は2006年10月であり、最後は2007年8月であったから、初回のリハーサルから数えておよそ1年間のライブ活動であった。どんな新しいことに挑戦したのか、観客の反応はどうであったのか、回を重ねるごとに変化はあったのか、短歌を朗読するという試みは短歌作歌者自身にどんな影響を与えたか、様々な問いが想起されるが、グループ解散後2ヶ月経ったいま、ここで一旦考えてみたい。

ぼくらのライブは、フルスペックでは50首の短歌の朗読を行い、一首一首にリハーサルの中で決めた音楽が付帯した。ピアニストの楽器はライブ会場によりピアノであるときも、キーボードであるときも、シンセサイザーであるときもあった。打楽器は、奏者が20から30種の打楽器を持参して演奏した。ライブの中では必ず、二人の奏者それぞれに、一度ないし二度のセミソロの場面を設定した。

途中に一度休憩が入って、およそ2時間のプログラムで構成され、ワインないしソフトドリンク付きで入場料¥1500と決めていた。この中から会場費やチラシ代を出したわけで、自分たちとしてはセミプロの意識でライブを行ったのである。10回のライブは、会場はおよそ小さな場所がほとんどであったが、おおむね定員いっぱいになった。

初回のライブはとくに思いで深い。

東京都国立市にある独特な土壁のギャラリーとして、口伝てによって巷間に高い評価を得ている、プランターコテッジが初ライブの会場であった。

ギャラリーは古いアパートを改造する形で、縄文時代とも、アイヌ文化の所産ともとれる、土着の雰囲気を豊かに湛えた、手塗りの分厚い土壁でできている。制作者は彫刻家の小池雅久。
小池は彫刻家というより、アメリカ式で言えばBuilderである。細工も建築も彫刻も左官も、一貫した思想として作り上げる才能を、アメリカではビルダーと呼ぶ。小池雅久とは4年ほど前に山形市での蔵の美術展で始めてあった。それ以来の縁である。
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by Achitetsu | 2007-10-18 15:32 | 短歌論
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